No.212　自己の偉大なる能力を求める 　

Pathwork Guide Lecture No. 212
1996年版
1959年2月13日


自己の偉大なる能力を求める
CLAIMING TOTAL CAPACITY FOR GREATNESS


親愛なるみなさん、最愛の友、兄弟・姉妹たち、そして息子・娘たちにご挨拶します。また一つの学びのシーズンが終わろうとしています。しかし、終わりはつねに始まりであり、始まりは終わりでもあります。これは、生命の川の無限の流れから生まれる波のように、終わりのないサイクルなのです。あなたがその流れの中にいるならば、あなたは、成長と拡大を続け、宇宙のワンネスと一つになるでしょう。もし、あなたがその流れを遮るのなら、痛みや苦痛を生み出す力やエネルギーをため込むことになります。

いつもシーズンの始めと終わりに、あなた方が学びを終え到達した段階の地図や鳥瞰図のようなものを示し、これから訪れる学ぶべき新しい段階への準備を促してきました。この地図はあなた方に、進歩に対するより深い学びを与えてくれます。新しい段階に進むためには、それ以前の段階なしには不可能です。どのステップも飛ばして進むことはできません。何年にも及ぶ私どもの協力で、学びのためのこの地図はより正確で、ほとんどの方にとって、より時期を得たものであることが証明されてきました。しかし、一方では、後から遅れを取り戻す人もいます。しかし、それでよいのです。いつも何人かの人は、恐れや抵抗があまりにも大きいため、敢えて進化の過程や有機的な物事の自然な流れを阻害し、結果的に、不必要な恐れや痛みを経験してしまいます。しかし、全体的に見ると、私たちは、このようにして共にプロセスを経験していくのです。

このシーズンの初めに、私はこの冬を、「変容のための学び」を始めるために捧げられると申し上げたことを覚えていらっしゃると思います。ネガティブな意識とエネルギーの変容は、あなたが完全にそのネガティビティを表面化させ、受け入れ、自分の責任であることを明確にしたときに可能になります。破壊的で悪意のある意図に対する漠然とした一般的な気づきでは、変容を起すには十分とは言えません。ネガティビティは、細部に至るまで完全に認識されなければならず、その際、ネガティビティに対する恐れや恥らいを乗り越え、隠したり、ごまかしたり、取り繕ったり、または、大げさに自己を非難することも止めなければならないのです。必要なのは、悪魔的な態度の持つ強烈なパワーとそれに付随するすべての取るに足らない細かいことを、ただシンプルに、かつ誠実に認めることです。この行動のみがあなたを自由するのです。しかし、この行動は、決して恐ろしいものでも自己否定のプロセスでもありません。

あなた方の中には、真のスピリチュアリティに到達するために、なぜこんなにもネガティビティに関して強調する必要があるのか不思議に思う方がいるかもしれません。そして、このとても不快な課題を避けるために、他のアプローチを試された方もいると思います。しかし、これ以外の方法では、真の問題の解決に至ることはできず、統合も実現しないのです。

不快感を伴うこの最初の段階におけるあなたの大変な努力は、報われ始めています。幾人かの方は、ここ何年かのこのネガティビティに関する骨の折れるワークを経て、真に変容を始めています。自己の中心（センター）を確立することは、とりわけこのプロセスに取り組むに当たって大きな助けとなっているのです。

変容の段階は、正確に区切られているわけではありません。それらは重なり合っています。ある一つの領域で、あなたがネガティブな側面に向き合い、そのブロックを取り除いて変容のプロセスに入る準備が整ったとしても、違う領域では、今までにあなたが意識していない手つかずの状態にある深刻な歪んだ考え方や破壊性があるのです。さらにまた、別の領域では、あなたは完全に浄化され、何の障害もなく自由です。このことが完全な自己浄化が行われたかどうかを判断するのを困難にしている理由です。徹底した献身、用心深さ、気づき、そして、希望的観測を退け、プライドを抑制するための準備を常に整えておくこと、これらを実行することによってのみ幻想とそれが引き起こす幻滅の痛みからあなたを守ることができるのです。

パスワーク特有の方法はあなたにとって素晴らしい守り手となってくれます。あなたが培ってきた親密さ、互いに分かち合うあなた自身についての深奥な知識、進化の結果として増していく洞察力、次第に第二の性質となりつつある誠実さと勇気－これらすべてがあなたにとって欠くことのできない助けとなります。パスワークには、あなたの状態を判断するために継続的に用いられる大変重要な尺度があります。次のような質問を自分自身に問いかけてみてください。あなたの人生に現実として現れているものは、あなたに何を告げていますか。あなたの人生は、どれくらい豊かで満たされていますか。どれ程の喜び、平和、豊かさが、徐々にあなたにもたらされてきていますか。内なる自己の最も深い領域に触れ、それをさらけ出すことの恐れと抵抗はどれくらい減りましたか。瞬間的に危機に陥り、それにまつわる内面のブロックに遭遇するとき、あなたは、より完全なあなた自身を見つけるために、どれくらい深くそのプロセスに向き合っていますか。あなたがこれらの質問に対して誠実に自己に問いかけたとき、あなたは自分自身の進化についての真実を知ることができます。これらの質問は、進化の過程において、あなたが行き詰っているのか、いないのか、またあなたが自分自身を欺いているかどうかを教えてくれるでしょう。恐らく、あなたは自己の内面にある不快なことに取り組むのを避けられたらいいと願っているのです。

全体的に見て、昨年から、あなた方は長い道のりを歩んで来ました。そして今、あなた方は、今までとは違う内なる場所にいて、あなた方自身も、それを分かっていると思います。あなた方が何年にも渡って私から聞き続けてきた言葉に口先だけで賛同するのではなく、多くの人が初めて、不可能だと信じ、実際に存在するかどうかさえ疑わしいと思っていたあなた方自身とつながることができたと思います。そして、内面の問題は完全に解決することができ、問題を抱えた自己は、健全に、統一され、生命力あふれる新しい自己に生まれ変わることが可能であると真に深く信じることができたと思います。この段階に到達した人たちが少しずつ増え始め、その人たちが新しくパスワークに加わった人のエネルギーの変容を助けています。前に進む力や勇気、信頼、確証、そして確固たる信念は、必要不可欠なものです。それが、あなたに起こっていることの証言者となり、あなたの周りにいる人々に影響を及ぼします。

今まで聞いたことしかなかったような段階に到達したとき、あなたはさらに深く進む勇気を得ることができ、未だに隠されているあなたの中の悪の部分へと向かうでしょう。これらのプロセスは常に螺旋を描き、一つの段階の上に新たな段階が重なり、その螺旋が次第に小さくなるまで続いていきます。そして、それが小さくなって、あるポイントに達したとき、その道はますますシンプルになります。この螺旋の最後に行き着くところはとてもシンプルで、それは愛です。このシンプルさは、まだ螺旋を描く円が大きい時にはほとんど意味をなしません。その時には、すべてがワンネスから分離した多方面に渡るエゴによって複雑になっているのです。そのような分離状態の中では、「愛」という言葉は虚しい感情や経験で、ただ口先だけの言葉にしか過ぎません。さらに悪いことに、愛という言葉は間違った使い方をされており、本当の愛とはほとんど何の関係のない事柄にでも、あたかもそれが愛であるかのように語られています。あなたが愛に関して本当の内面の意味を経験したとき、その言葉の持っているすべてを理解することができるでしょう。

これまでの話を簡単に要約しますと、私たちのワークの以前の段階では、ネガティブな考え方や自分の持つ欠点、歪み、そして破壊性や自己の中の純粋でない部分に向き合うための能力を扱いました。そして、昨年は、エネルギーと意識の両方について、ネガティブなものからポジティブなものへと変容を開始することに取り組み始めました。もちろん、ワークにおけるこの両側面は、さらに続いていきます。そして、第2の段階では、あなた自身、つまり何も欠けることのない完全なあなた、唯一無二の存在であるあなた、そして隠れたあなたの偉大さを強く求めるという段階に入ります。今この段階まで来たあなた方にとっては、次第にそれが可能になっています。このレクチャーのテーマは、真のあなたを求めることについてです。

最近のレクチャーで、小さな自己が時として神聖な自己と融合する状態や経験のいくつかの一般的な現れ方をお話ししました。このような現れ方はほかにもたくさんあり、それについては追ってお話ししたいと思います。まずは、これからその内の一つをお話しします。

人間は本来の自分になることに対して抵抗します。奇妙に聞こえるかもしれませんが、これは事実です。もちろんそれは、絶え間なく、そしてあからさまに、時にはひそかに、大きくなり過ぎたエゴが要求していることなのです。しかし、自己の真の偉大さに関することとなると、あなた方は、自己を抑制し、恥ずかしがって、恐れさえします。そして、あなた方の求める自己、すでにその状態にいると感じている自分を抑え込んでしまいます。自分が本当の自分であること、最高で偉大、賢明で寛大、愛らしく、創造的で自信に満ち、開かれていて意識的で、勇気と謙虚さを持っていること、これらの持って生まれた尊厳や高潔さからあなた方を抑え込んでいるこの奇妙な壁は一体何なのでしょうか。あなた方は、これらすべてであり、それ以上でもあるのです。あなた方は、それぞれに固有の気質や才能、そして知性を持っています。人生とその創造物に貢献するまったく独自のものを持っているのです。神は他の誰ともまったく異なる特別で個々に違う方法で、あなた方の中に、そしてあなた方を通じて顕現します。

それでは、あなたの持つ偉大さを求めることをこれ程にも困難だと思わせるのは何なのでしょうか。あなたが本当の意味合いで、完全な自分になるとき、あなたは、同時に二つの相反する状態にいることになります。つまり、あなたは、唯一無二の特別な存在であり、同時にもう一方では、まったく特別ではないということです。人はみな聖なるものの顕現であるという観点からは、あなた方は他者と同じなのです。すべての人が、根元的な聖なる資質を持っており、そして同時に、その聖なる資質を妨げる欠点も併せ持っています。その欠点は、人によってその現れ方の激しさや強調されるところは異なります。成長の度合いや真実に至るための心の開き具合や意欲は、一人ひとり違っているかもしれません。しかし、あなた方はみな、自分のエゴを表現しており、そのエゴを超越するためには同じ根元的な葛藤を経験しなければならないのです。あなたが障害を取り除いたとき、あなたが自己の持つ偉大さを表現することを許したとき、神はあなたを通して現れることができるのです。すべての人が天賦の資質を持ち、ゆえにすべての人が神なのです。

自己が特別だと主張する小さなエゴにとっては、このことは歓迎できないことです。小さなエゴは、他のすべての人より優れた存在でいたいと思っているからです。神なる自己は、そのような要求はしません。あなたの中の偉大な資質が表面に表れるのを邪魔しているのは、他者より高く抜きんでていたい、称賛を得たい、自己が優れていることを証明するために他者と競い合い、打ち負かして征服したいという小さなエゴの欲求なのです。これは、取り除かれるべき特定の悪です。この悪は、恥や苦痛、その他の破壊的な悪のパターンを生み出す諸悪の根源です。

あなた方はよく、「私は自分に価値がないと感じたくないので、他者より優れていたいと思っているだけだ」と言います。では、この前提を逆さまにしてみてはどうでしょう。もしあなたが他者よりそれほどにまで優れている必要がないとすれば、あなたは自分には価値がないと本当に感じるのでしょうか。私は、敢えて言いますが、答えは「ノー」　です。あなたは、羨んだり、嫉妬したり、狭量かつ利己的であったり、悪意を抱いて、操作しようとしたり、他者の持つ特有の神の部分を否定します。もし、あなたが他者の上に立つことを望まないなら、そのような愛情のない状態になりますか。あなたの中の神の意識と他者の神の部分が衝突することは決してありません。分離された状態にあるエゴだけが他者と衝突します。それは、エゴが無知で限界があるからです。エゴは、一つではなく分割されており、しばしば衝突し矛盾した状態にあります。しかし、あなたの中の神の意識は、一つです。その神なる自己は、認識されることを強制することはありません。それはその存在を知っていて、それだけで十分なのです。

あなたの中の根元的で独自の美しさ、偉大さ、つまりそれはあなたの持つ才能だと言えるのですが、それに気づくことを邪魔しているもうひとつの障害は、内面にまだ存在している悪に対する恐れです。すべての恐れは、根本的にこの恐れと同じです。この恐れの本質が否定され、他者に投影されると、まわりの出来事があたかも他者に対する恐れが正当なものであるかのように表れ始めます。この恐れを乗り越えるための歩みを進めるほどに、あなたはより本当の自己に向き合わなければなりません。そして、本当の自己に向き合いたくないという気持ちを乗り越えなくてはならないのです。この恐れは途方もなく高い壁を生み出し、その悪自体よりも大きな障害となります。これは、今までに何度もお話ししてきました。この類の恐れは、他者より抜きんでて、称賛を欲することと深く関係しています。小さなエゴは、「私を崇拝しなさい。なぜなら、私は、あなたよりもはるかに優れているからです。だから、私を愛しなさい。」と主張し続けているのです。もちろん、これは究極に愚かなことです。

あなたの内面の悪に対する恐れは、まったく不要なものです。なぜなら、その悪は実際には、美しさや愛が歪められたものだからです。すべての人の中に住んでいる悪魔は、もともとは天使だったのです。あなたの中に潜むこの悪魔にどう向き合えばいいのか、ということについて、あなた方はかなりの進歩を遂げてきています。あなたは、それを見つけ出し、意識の上にもたらして、それを認め、理解し、以前に増して自己責任を取ってきました。だからこそ、この変容が起こり、もっとも深く難解な問題がかつてないほどに解決しているのです。しかし、あなたの中に恐れがまだあるなら、それは常にエゴのプライドが原因の一つなのです。このエゴのプライドは、あなたの中いる悪魔の本質を知らないことと関係しています。あなたは、この悪魔が最終的な姿、本当の自分であると信じていますが、それだけでなく、自己の悪魔のような部分は、もともとはどこか他のところからもたらされたもので、神から授かったものではないと信じ込んでいます。しかし、これこそが無知というものです。

　それではみなさん、これからあなた方の意識に新しい考え方をもたらしたいと思います。それは、残酷さ、悪意、不調和、心の狭さ、憎しみ、恐れなどを持つまさにこの悪魔は、本質的には天使であるということです。寓話的にも、象徴的にも、ルシファー（旧約聖書で堕天使と考えられている存在）は光の天使だったのです。ルシファーはサタンへと変わってしまいました。これは、すべての分離した存在が、悪魔からルシファーへ、闇から光へと再び変容するための進化の過程における課題なのです。みなさん、このようなプロセスがあなた方の魂の中で起こっているのです。

悪魔とは、あなたの恐れです。その恐れは、憎しみと悪意に満ち、残酷なマインドの在り方と、いつも何らかの方法で表現され、また行動になって現れる感情への罪悪感です。あなたがこの罪悪感に向き合うとき、つまり、痛みを拒絶せず前に進み、その痛みを十分に経験するとき、罪悪感や痛みは消え去るのです。そうして、ようやく天使は姿を現します。そして、あなたは、温かさや愛、自信、ゆったりとした流れ、そして喜びに満たされ、創造性が拡大していきます。このプロセスは、悪にかかわる問題が変容を遂げるまで、何度も何度も繰り返されます。そして、マインドのネガティブな状況にしがみついていたいという欲求が引き起こす葛藤を除いては、あなたはもう何もあきらめる必要がないと信じられるようになります。あなたが何かを失うというのは幻想です。何度もお話ししてきましたように、あなたの今の状況では懸命に押し込めようとしたり否定したりしようとしていますが、多くのエネルギーが内面にある悪の中に閉じ込められています。あなたは、そのエネルギーを失いたくないと願っているのです。あなたが悪についての真の変容にいたるプロセスを経験したとき、今まで悪の部分を避けるために押し込めてきた力強い生命力を再び取り戻すことができます。あなたは、何も失うことはありませんし、得るものはとてつもなく大きいのです。

もしあなたが内面に潜む悪に対して、心を開いて、あなたの意識やポジティブな意志でそれにどう向き合うかを学べば、内面のガイダンスを得られ、信頼と恐れのない確信を持って、すべての恐れを本当に消し去ることができます。逃げ出したり、ごまかしたりしなくてはならないような幻想は、ここでは存在しません。あなたの中には、克服すべきものも、追い出すものもなく、自己を分離するものもないのです。あなたが、内面の悪魔と真正面から対面すると、その時悪魔は消え去り、彼らの本来の姿が現れるのです。この悪魔は、実は天使であるという考え方を持って、この悪魔を完全に受け入れてください。この悪魔の持つ力や生命力が実は、あなた自身のマインドと意識の変化によって、美しさを生み出す創造力や愛、エネルギー、そして崇高なる知恵の光り輝く力となるのです。狭量で嫉妬深い分離した悪魔の意識は、いつも人生の美しい法則と戦いながら、広がって行きます。そして、私が言いたいのは、悪魔が強ければ強い程、それだけ天使も強いということなのです。強さという要素においては、同じなのです。この考えがあなたの中に根付くことを許せば、恐れは減るでしょう。あなたは次第に内面の悪や悪魔を隠したり、ごまかしたり、怯えたりすることがなくなっていくでしょう。

持てる限りの勇気と信じる心でこの悪魔に向き合い、そこからあなたの内にいる美しい天使を具現化してください。これが、変容のワークというもので、ずっと続いていくプロセスです。恐れることなく内面の悪魔に向き合い、その正体を明らかにしなければ、生まれついて持っている権利や才能を求めることはできません。そして、あなたにしかできない生命への貢献もできません。

この方法によってのみ、内面で対立するものを調和させ、二元性を超越することができます。何らかの障害としてあなたにもたらされる二元性、互いに相容れない正反対のものは、あなたが未だに分断された状態であるということを示しています。あなたは、深いところにある意識から分離しています。あなたは、恐れ、プライド、強情、無知や貪欲さ、そして憎しみで、自己の内面を分断させています。しかし、これらは、正反対のものへと変容させることができます。恐れは信用や信頼へ、プライドは謙虚さへ、強情(セルフウィル)は柔軟で快活、順応性のある譲歩や同調の態度へと変わり、人生のリズムとともに流れる素晴らしい調和へと導かれます。さらに、無知は気づきや認識、理解や知恵へと変容し、貪欲さは、手を伸ばせば届くある種の特別な信頼となり、あらゆる方法においてその信頼は豊かにあることを知ります。そして、あなたは豊かさを手に入れるので、その貪欲さはまったく無用のものになります。最も注目すべきなのは、あなたの憎しみが愛の力へと変容することです。

あなたのまわりの出来事を引き起こす原因に取り組まないかぎり、平和や内面の幸福、喜び、統一感、安心感、そして、創造性を高める生まれながらの才能を見出すことはできません。これは、いわゆる心理療法ではありません。輝かしくも健康的で満たされた人生の魅力的なご褒美を受け取るためには、献身的で無私無欲になることを義務として自分自身に強制してはいけません。これは、あなたが明確に理解し、あなたがいるところのもうひとつの道しるべとして使うべきものなのです。

もう一度言いますが、あなた方は正直に、満ち足りた人生とは、すべてが自分の都合のいいように行くべき利己的で自己中心的なものとしてまだ捉えているのではないかということを認めるべきです。この点において、あなたがこのような幻想を詳しく調べると、今あなたがいるところが分かります。他のすべてのことと同様に、自分に対して本当に正直になることが、ここでは重要なのです。より大きな問題を解決するために力を尽くしたり、少なくとも時々はちっぽけな自己の利益を忘れるといった純粋な願望が、もしまだあなたの中にないのなら、それはあなたが自分の感じる孤独や疎外感、恐れや罪悪感、そしてあなたの才能を自覚できていないのだと理解する必要があるということです。

あなたは無私無欲になるための生まれ待った力を持っていることに気づくべきです。しかし、あなたの中のちっぽけなエゴは、この生まれついての自然な状態を邪魔しようとします。もしかすると、あなたは、今の自分を乗り越えて進みたいと欲することを邪魔するような誤解にしがみついているのかもしれません。恐らく、あなたは、小さなエゴを超えて何かに献身的になることは、自虐的なことであり、苦痛を伴ったり、何かを奪われたりして貧困を招き、幸せや求めるものが満たされないというように信じ込んでいるのかもしれません。実際には、まったくその逆なのです。あなたが真に創造をするとき、あなたが無私無欲の精神で貢献をするときにのみ、満たされることやあらゆる意味で豊かであることを経験する資格があるのだと感じることができるでしょう。もし、あなたがこの完全な自己表現を求めることを抑制したり怠るなら、あなたの利己的な部分や、宇宙への貢献に対する関心の欠如ということを見てみるとよいでしょう。あなたは、もしかすると、この抑制を見せかけの無私無欲さの下に隠しているのかもしれません。そして、実はそれは、あからさまな利己主義よりもさらに利己的かもしれないのです。これは、マスクの一部で、他者に対して自分をよく見せるためのものなのです。

多くの人たちが、より大きな目的のために献身してきています。これは、利己的な日和見主義や小さなエゴの虚栄心に向き合いながら発達する、という自然なプロセスです。あなたは、より進化し、今では、創造したり、スピリチュアルな目的のために貢献することに喜びを覚えていると思います。あなたは、他者の魂が内面の真実の高みに達することを助けるという目的に、より興味を持っているため、特にあなた自身の平和や喜び、自由、創造性につながっていないかもしれません。しかし、これらにつながることで、正しい方向に進んでいるというさらなる勇気を得ることができるでしょう。

もう一度ここで復習をしますが、私たちは、悪循環と豊かさへの循環という二つの循環を見つけることができます。あなたが恐れの中にとどまり、内面の悪から隠れていれば、全的でエゴのない素晴らしい自己を求めることができません。あなたは、利己的なままで、ちっぽけなエゴの取るに足らない利益や、生きることの不本意さといったネガティブなことばかり考えます。そして、あなたは、ますます疲弊し、不幸せで、つらくなります。そして、自制し与えないことを当然のことのように感じ、こうして、悪循環は続いていきます。

あなたが、悪循環を豊かさの循環へと変容させたとき、あなた自身も気づかないうちに無私無欲に与えるように自然と変わっています。これは、神経質で不健全な要求に屈し感傷的に与えるということではまったくありません。これは、真の奉仕です。そして、他者に与えるということは、自分自身に与えることを避けることはできません。現実の世界でも、自己に対する態度は、他者に対する態度と何ら変わるものではないということを次第に理解することができるでしょう。ですから、より大きな目的のために自己を捧げることは、想像できる限りの、最も自己を豊かにすることなのです。人生はごまかされることはありません。あなたの人生は、このことに関しても、他の事柄でもつねにあなたに真実を告げているのです。

小さなエゴを超えた目的に自己を捧げることは、至上の満足感をもたらします。あなたから、それを奪ってしまえば、あなたは、平和や喜び、満足感、自尊心、そして、自分は人生が与えてくれる最高のものに値するといった深い感覚を知ることができません。これは相互に関係していて、その関係は正確なものです。あなたが神の意志がなされるのを許し、惜しみなく、何も疑わずに人生に自分を捧げる程度に応じて、あなたは、両手を思いっきり広げて人生が与えてくれる最高のものを受け取る権利があると感じることができます。そして、あなたの利益を損なうことになるちっぽけな恐れの中に自己を隠していると、その程度に応じて同じだけ人生の豊かさを受け取ることを抑え込んでいると言えるのです。これには、決して間違いはありません。あなたの魂の奥深いところにある精巧に作られたこのメカニズムは、完璧に機能しています。人生への貢献が欠けることなく統一され、必要とされる責任感を持って、より偉大な真実のためにあなたは小さな虚栄心を喜んで捨て去り、その時にあなたの現在の理解を超えた人生の豊かさがやってきます。

みなさんがここに集まってきた当初、あなた方はみなばらばらで、それぞれが、自分の持つ小さな苦しみを抱え、完全に内面の自己から切り離されていました。当然ながら、お互いからも、人生からも切り離されていました。あなたは、人生に貢献することに抵抗をしていました。最近になってようやく、あなた方の多くの方が、ここにもある程度の真実があるのではないかということを理解し始めています。しかし、あなたがこれを発見するのは、より大きな目的のために自己を惜しみなく捧げるときです。あなたは、もっとも崇高な動機で積極的にその本質にかかわり、浄化、魂の癒しにかかわっています。このようにして、最も重要な方法で、あなたは偉大な進化の計画に貢献しているのです。

入り口までたどり着いたすべての魂たちは、ついには、その敷居をまたぎ、今まで明かされていなかった美しさや知恵、強さ、愛、真実、創造性の源となるエネルギーを解き放ち、ワンネスを経験します。そして、直接的、間接的を問わず、数え切れないほどの影響を他の魂に与えるのです。あなたの中の一つひとつの態度が変われば、どれだけあなたのまわりによい影響をもたらすかよく考えてみてください。建設的な姿勢で与えることは、宇宙という仕組みにおいて、素晴らしく、美しい、生き生きとした生命の力で、無限に影響を及ぼし続けます。これに関する例え話をお話ししたこともあると思いますが、水に物を投げ込んだとき、その波は円周を描いて、どんどん広がっていき、それは終わることはありません。それが終わったように見えるのは、波を伝える水に限りがあるからです。もし、水が宇宙のように果てしなく続いているのなら、その波は、止まることはありません。ですから、宇宙の真実や愛、忠誠心に対する無私無欲な貢献への情熱に動機づけられたアイデアや意図、思考は、すべての生命に浸透している宇宙意識の意志によって人生に貢献したいという願望を表現しながら、止まることのない波となって永遠に宇宙に広がり続けるのです。あなたの意識の中でそれが遠い記憶になった後でも、長い間それは影響を及ぼし続けます。あなたが、新しい創造を活発化し、何か新しい魂の行いを実行し始めると、それらは生命とあなた自身に絶え間ない影響を与えるのです。

ですから、あなたの思考や意図がポジティブなものでも、ネガティブなものでも、どれだけ強力な影響力があるのか知ることが非常に重要です。あなたの宇宙への愛情深い考え方や、あなたの内にある神聖なる創造的な知性に対して自己を明け渡すことは、信用の欠如の中の悪意のある抑制と同じくらい現実的かつ効力のあるものなのです。

あなたは、なぜ自分の持つ偉大さを求めないのでしょうか。それは、小さな自己が自分だけの小さな利益のために、いつも目を光らせているからです。そのような個人的な利益とは、物質的なもので、プライドや自己顕示欲、他者からの称賛を得ようとする要求として現れるかもしれません。または、あなたが密かにあなた自身だと信じているよりも、よく見えてほしいという要求であるかもしれません。こういった態度からあなた自身を開放するとき、あなたはすべての力、可能性、そして独自性を兼ね備えた本当の自己を求めることがより簡単になるでしょう。そして、今は、限られた方法と罪の意識の代償としてしか経験をしていない豊かさを自分に許すようになります。そうするとあなたは感謝されるようになります。なぜならただ単純に、感謝されることが目的ではなくなるからです。あなたは、自分がなれる最高の自分でいることを恥じることはなくなります。利己的な自己から離れ、人生から身を引くこと、言い換えれば悪意を持って何も与えないことを手放したとき、そして小さなエゴの偽善行為や隠しているものを手放したとき、あなたは自分が最善でいることを抑えることはなくなるでしょう。あなたは、内面の悪魔に対する恐怖を感じることがなくなり、恐れていた悪には、善なることのエッセンスが含まれていたことに気づくでしょう。すべての悪魔の中に、外に出たがっている天使たちがいるのです。

もし、あなたに謙虚さが欠けていれば、あなたは自己の偉大さを表に出すのを許すことができないでしよう。しかし、謙虚でいるために、自己の偉大さを抑制する必要はありません。謙虚さの中には、強制も、証明することも何もなく、ただ内面には、知恵があるだけです。ですから、他者があなたを認めるかどうかは、まったく重要でもなく、必要でもありません。他者があなたを認めるのは、あなたが他者をもう必要としなくなったとき、そして、他者に固執をしなくなったときなのです。他者の承認を必要とし、調和の感覚を持たないのは、小さなあなたのエゴです。そして、エゴは、暗闇を手探りし、間違った方向で戦っているのです。

この一連のレクチャーも終わりに近づいてきました。しかし、もちろん、これは私たちの接点がなくなるという意味ではありません。今では、パスワークセンターがワークするための素晴らしい機会を提供してくれるからです。みなさん、私があなた方に提案したいのは、エゴを手放し、何も証明する必要がなく、ポジティブにでもネガティブにでも誰かと自分を比較することのない、あなた自身にとっての、謙虚さの中にある新しい偉大さを視覚化することです。そして、最悪なものが、最も美しく、最も賢く、最も強く、最も愛すべき力に変容することを知って、あなたの中の最悪なものを恐れないでいる自分を思い描いてください。あなたの中に隠れている最悪のものは、取るに足らないもので、あなたにとって危険なものになります。それを意識の上にもたらすことによって、あなたは新しい可能性を心に描くことができるのです。

次の質疑応答のセッションで、たくさんの重要なテーマをお話しします。次の二つのトピックについて、質問を用意しておいてください。一つはセンターにおける子供の育て方について、もう一つは動物と植物の生命の聖域を作る可能性についてです。答えは、現在の物の見方を越えた重要なものとなるでしょう。

あなた方を祝福します。そしてもう一度言いますが、あなた方のワークや成長は、スピリチュアルな世界にとめどなく広がる美しいエネルギーなのです。あなたは、この美しさを見れば驚くに違いありません。もしあなたが、今自分がしていることの価値や重要性を本当に認識できるのなら、とても深い喜びを感じるでしょう。

たとえあなたがまだ身体の中にいるとしても、いずれあなたはその深い喜びを知ることができるでしょう。あなたは内面でそれを経験し、そのことがあなたをより強く、より責任を負うことのできる存在へと変えるでしょう。あなたは、より意識的に機能し、それぞれの中に、独特の美しさや完全なやり方を見出し、それぞれの存在が全体を完全なものとする小さな要素となるでしょう。この統一された状態においては、人は他者なくしては機能しません。むしろ、それぞれがその人にしかできない独自の貢献でこれに貢献していると言った方がよいでしよう。そこには、嫉妬は必要ないのです。自己を証明する必要もまったくないのです。あなたがこのことを知ったとき、あなたは、自分の中の独自の偉大さ、美しさ、知恵をも理解するでしょう。

愛が、あなた方がここでしているワークに行き渡りますように。一つひとつのステップに意味があり、重要なのです。あなたの人生には、とても価値があります。あなた方すべてに祝福を。平和のうちにいてください。

###


以下の注記は、Pathwork®の名称およびこのレクチャー資料の使用法を示したものです。Pathwork®の商標／サービスマークは、The Pathwork Foundation（パスワーク・ファウンデーション）によって所有され登録されており、The Pathwork Foundationの書面による許諾なく使用することはできません。The Pathwork Foundationは、その単独裁量権において、Pathwork®の商標を、協力団体やその支部のような他の組織および個人による使用を許可します。

著作権にかかる規定
Pathworkのガイドの著作物は、The Pathwork Foundationの所有資産です。このレクチャーは、The Pathwork Foundationの商標、サービスマークおよび著作権ポリシーに準拠して複製され、いかなる方法においても変更または省略することはできません。また、著作権、商標、サービスマークおよびその他あらゆる公示の削除は許可されません。
レクチャーを提供される側は、複製と配布のための費用のみを支払うこととします。The Pathwork Foundationのサービスマークまたは著作権で保護された資料を使用する任意の個人や組織は、The Pathwork Foundationの商標、サービスマークおよび著作権ポリシーを遵守することに同意したものとみなされます。これに関する情報またはこのポリシーを入手するには、The Pathwork Foundationにご連絡ください。Pathworkという名称の使用は、The Pathwork Foundationによって承認される変容のプログラムを修了したファシリテーターとヘルパーにのみ許可されています。

日本語版の取り扱いについて
Pathwork in Japan (パスワーク・イン・ジャパン) の許可なしに、無断でコピー（複製）、貸与、頒布、販売することを固く禁じます。また、文書およびインターネット上（ウェブ、メール）での引用・転載を含む公開も禁止します。

また、本レクチャーの受領者は、英語版から日本語版を作成する際に発生する複製・配布・翻訳などにかかる費用をご負担いただきます。

さらなる情報やPathworkへの参加については、Pathwork in Japanにお問合せください。
ウェブサイト：www.pathworkinjapan.com
お問合せ先　：pathworkinjapan@gmail.com

※ガイドレクチャーに関するお問合せはメールで承っております。下記メールアドレスまでお願いいたします。
pathworkinjapan@gmail.com