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Pathwork in Japan
No.118 転移:幻想を介した二元性
Pathwork Guide Lecture No. 118
UNEDITED版
1963年10月18日
転移:幻想を介した二元性
DUALITY THROUGH ILLUSION; TRANSFERENCE
ようこそ、親愛なる友人たちよ。皆さん全員に神の祝福を。この時は祝福されています。
人が生命に否定的に関わっている限り、その人はこの地球での生に留まらねばなりません。地球というこの特定の領域は、その人の否定的な関わりと釣り合う条件を提供します。その否定的な関わりを乗り越えた後でのみ、この領域における誕生サイクルは終了し、その人の成長は、他の領域での生命へと続いていきます。そしてその領域では、その人の新しい状態に釣り合う新たな条件が提供されます。
否定的な関わりとはどういう意味でしょうか?それは主に、現実の混乱、混乱した概念を意味します。混乱があり、その結果としての幻想が存在する場合、必然的に矛盾があるはずです。つまりは概念の分離です。この概念の分離は、心理を分裂します。別の言い方をすれば、分離と葛藤は、幻想あるいは誤解の結果です。人が現実を理解し、それを経験することによって自分自身との調和を得るに従い、分裂は修復され否定的な関与はなくなります。
この考え方は時代を通じて、さまざまに異なる形で表現されてきました。これが完全に理解されれば、多くの人にとって漠然とした信念や理論にしか過ぎない、この転生の事実に疑いの余地は残りません。創造のこの側面が深く経験されていれば、他の方法はあり得ないということが分かるはずです。なぜなら、自分自身を現実から切り離す自分の欠陥と縁を切らねば、その状態を表現する条件の中で生きねばならないからです。その状態は条件と環境を生み出し、同様に本人に自分が陥っている状態を学び、認識して乗り越える唯一可能な手段をも提供します。つまり、この地球での人生は、人間の全般的な状態を表すと同様に、現実についての混乱から生じた分離を表します。
この分離は、地球上の生命による多くの顕現でもって象徴されています。例えば、多くのものが対照として現れます。対極にある対です。哲学的な考え方においては、人類そのものも男と女という対になっています。昼と夜。生と死。これらは、二方向への分裂を表わす生命の数例に過ぎません。この二方向の分裂は人類には適用されますが、動物、植物、または鉱物界には適用されません。これらのものは未だ低次の状態にあり、それ自体、二要素以上の分裂の中に自らを認めます。先ほど申し上げたように、人類は非常に多くの形で現れる二要素分裂の表現です。一般的に言って、このことは本当の意味では理解されていません。
このことについて漠然と瞑想をしても、実際に深い理解が生まれることはありません。これまでは無意識であった個人的な誤認を少しずつ発見していくこの道のワークをする時、どんなテーマにおいても、あなたのさまざまな誤認が、ふたつの選択肢の片方を選ばねばならないという葛藤を創り出していることを極めて明確にせねばなりません。もちろんどちらの選択肢も不満足なものであり、非現実的な結論に達することから、絶望の状態を創り出します。
この側面で満足できる進歩を遂げた私の友人たちならば誰でも、例をあげることができるでしょう。これらの個人的な例は、最大限可能な啓発を示し、それが与えられることによって、このレクチャーで私がお話していることが現実つまりは個人的な真実の体験となります。これが理解する唯一の方法です。漠然とした瞑想では、そこまで達することはできません。
混乱の中にいる時、あなたは他者そして人生に否定的に関わっています。原初の否定的な関わりは、あなた自身との間、現実の側面についての概念の誤認の中に生まれます。未解決の混乱は魂に残っており、それぞれの人生で再発する運命にあります。人格がそれらを無視して問題を回避することに固執しない限り、成育条件は、これらの混乱を前面に押し出すことになります。ただ残念ながら、この回避は頻繁に起こり過ぎると言えるでしょう。
最も強烈で劇的なカルマの関係性は、両親と子どもとの関係性です。未解決の混乱、葛藤、それに続く基本的な分離は、この関係性の中で最も劇的な障害として現れるでしょう。子から父、そして子から母という二重の関係性は、この地球という領域を特徴づける分離の象徴のひとつです。比較的精神が自由であって関係が健全である程度に応じて、両親の双方を持つことは、子どもにとっての利点になります。しかし、ネガティブな関わりが依然として強い場合、この両親との二重の関係は、内側の分裂を象徴します。
自分自身の特定の主要な問題、葛藤、イメージ、ディフェンスの仕組み、偽の解決法、これまでに見つけた誤った結論を注視していけば、あなたを支配している基本となる内的態度が最終的には明らかにされます。この基本的態度は常に半分に裂かれています。つまり、否定的な関わりの中でのあなたの基本的態度は、常に二種類の反応の間で揺れ動くということです。この深い認識は、自分と向き合うこの道に熱心に取り組む人だけが見つけられます。これは、孤立した認識の欠片、特定のイメージにおける認識、誤認などを超えたものです。これら全てが、個人的な二方向の分裂を顕現するひとつの核を形成しているでしょう。この要因の十全な気づきと認識は、かなりの進歩と自己認識を示します。この認識が具体化し始めると、あなたの分裂を構成しているこのふたつの基本的態度が、あなたの両親に対する基本的態度を示していることが分かってくるでしょう。片方の親から及ぼされた影響と、それに対するあなたの感情的な反応を通して、ひとつの矛盾する歪んだ態度が存在します。そして、他方の親からの全く異なる影響と感情的反応によって、あなたの葛藤のもう一方が再現されるのです。この二要素の分裂は、今生に入る前に解決できなかった葛藤です。両親というよりむしろ、彼らの特定の側面とそれに対するあなたの反応が、あなたの魂の中でこの未修正の分裂を体現します。従って、あなたの問題の責任を負うのはあなたの両親ではありません。しかし、あなたに対する両親の誤った行動は、直視され理解される必要があります。なぜなら、あなたの道においては暫く特定の反応の仕方が、両親に誘発されたように見えるからです。それもまた真実ではありますが、それはただ、あなたが既に幻想から生まれた二元性と共に来たからなのです。自分の魂の中で両親をどのように表現しているのか理解する時、また同一化、反抗、その他それに対するさまざまな反応と、それらの間にある微妙な相互作用を感じる時、あなたは自らの人生を通して支配している基本的な二要素の分裂を体験するでしょう。これは洞察と理解を通して解決し、修正されるまで続きます。この時点で理論はどうでもよくなります。転生を信じる必要はありません。両親があなたのために、あなたの二元性そして幻想的な生き方を表現し、体現していることを発見することこそが重要です。
これが真に理解されると、もはや現代心理学、そして霊的、形而上学的、哲学的な考えとの間の区別は存在し得ません。これが理解されると、従来のいわゆるスピリチュアルな従来の理論上の概念は、どんな心理的発見と同じく個人的経験となります。
先ほど「幻想的な生き方」という表現をしました。より良い言葉がないのですが、この独特な内的生き方が、両親との間で再体験される否定的な関わりの結果として、どのようにあなたを支配しているのか、人間の言葉の制限の中でも可能な限り正確に言い表しているかもしれません。私が「生き方」と言う時、私は外的な振る舞いを言っているのではありません。しかしながら、あなたの典型的ないくつかの性質も、この二要素の分裂の一部であり、それに関連しているかもしれません。この言葉で意味しているのは、自動的反応のある種の方法です。全く気づかないまま人生を通し、両親にしていた反応を他者に繰り返す典型的な反応のことを言っています。これらの反復的な反応は、あなたの基本的な分裂にのみ当てはまります。魂が健全な領域では、あなたは過去を再び生きようとする盲目の衝動から解放されています。
私たちはこの自動性について頻繁に議論してきましたが、我が友人たちは誰も、まだこのことを完全には気づいていません。その気づきが育つにつれ、解放はより目前に迫るものとなります。ただしこれは、両方の親に対するあなたの態度で象徴される、個人的な二要素の分裂の様子を垣間見る時にのみ起こり得ます。
新しいライフサイクルを始める子供は、個人的で未解決な葛藤を包含します。その二元性は幻想と誤認によるものです。同時に、子どもの精神は非常に感受性が強いのです。子どもが経験する全ては非常に新鮮で、より強烈な影響を与えます。印象はより深まり、よりしっかりと根付きますが、印象と経験がどのように同化するのかを決定づける本来備わっている健全さ、または健全さの欠如に常に準じることになります。人生初期の経験が、大人が似たような経験をする場合以上に、子どもに深い影響を与えるのは、子供の精神の新鮮さと感受性の強さが原因です。このことは、子どもについて、他の点でもよく見られます。例えば、子供たちは匂いや味覚に強い感覚を持っています。彼らは人生の最も単純な現象についても大人より好奇心があります。子供の魂に対する人生からの強い影響は、明確に観察できます。それならば、依然解決されていない葛藤からくる否定的な経験が精神に与える影響は、どれほど大きいことでしょうか!しかし否定的な経験と関わりは、その存在の生得の精神がどの程度、二元性の状態そして概念的な葛藤の幻想状態にあるかに応じて生じるということは、強調してもし過ぎることはありません。
友よ、これは私がイメージについてお話したこととは異なります。もちろん原理は同じですが、はるかに深いレベルにも当てはまります。ここでは、あなたが持っているかもしれない特定のイメージや、最も重要なイメージについても触れることはしません。
あなたが人間としての存在であること、そして宇宙におけるこの特定の領域で生きることの原因である、根本的で基本的な葛藤について触れていきます。この葛藤は、アクセスできないものではありません。両親に対するあなたの態度が人生の基本的な状態を支配し、人格上の基本的問題を表現していることに気づくならば、それはまさに至るところにあります。あなたが両親に反応し続けるのと同じく、どのようにして自分の内側にいる彼らを追体験しているか発見する時、まさしく自分流の二元性である基本的分裂を体験しています。二元性は常に同じではないのです。従ってあなたの理解は、個人的な人間としての制限に応じながら育ちます。これらの制限は、真に認識されたということだけで即座に軽減されます。あなたの範囲は広がり、あなたの自由は増し、あなたの視野は広がり、あなたの安全の感覚は成長し、そして勿論あなたの調和は確立されるでしょう。分裂と調和は両立しません。同様の理由で、理解と気づきを通じて分裂を修復することが調和を増すのです。
もし自己発見において進んでいたとしても、この道において活動的ではない場合、これら全てのことは殆ど理解されないでしょう。しかし、活動的である人々でさえ、これらの深いレベルの自己認識に到達するためには多くの助けを必要とします。このレクチャーについての議論は、もちろんワークそのものはさておき、そのような助けの機会を提供することになるかもしれません。混乱と困難を明確にし、理解していくための最良の方法は、自分自身の中にある概念の分離とそれに続く自身の葛藤の例を見つけることです。このような葛藤がより理解される時、それがどのように両方の親への態度へと流れていくのか見ることができるかもしれません。いくつか実際の例を示すことで、パスワークのこの特定の段階から先に進む方法を示すことができます。
あなたの魂のこの側面がより深く個人的に理解され、理論や哲学的仮定に留まらず、このことが真実として経験される時にこそ、私たちが頻繁に議論したそのこと、そして自分自身の中に僅かに見つけたに過ぎない感情的反応の繰り返しをも理解し経験することができるでしょう。すなわち後の状況下で、かつて両親に反応したのと殆ど同じ反応で、他者に対して反応している感情的反応そのものです。今のところ、両親があなたの個人的な分離を象徴していることは知っており、知的に理解しているかもしれません。片方の親が分裂の片側を表し、他方が反対側を表します。これがカルマのつながりの本質、理由、そして選択の必要性です。あなたは彼らに対して、湧き上がる反応でしか対応できませんでした。なぜならば、彼らが彼らであったという理由のみならず、究極的にはあなたの二元性が原因だったからです。あなたの兄弟や姉妹は別の種類の分裂をしているため、両親への反応が違うかもしれません。自分の分裂に従って両親に反応する必要があったように、人生の後年になって、その時の状況が過去の原状とほんの少しの類似しか見られない場合であっても、同じように他者に反応してしまうのです。従って最終的には、反応の繰り返しは、親とその誤った方法によるものではありません。この特定の両親の組み合わせによって最適に顕現し、表現され、あなたの中で明らかになった自分自身の二元性によるものです。あなたが生まれ持ってきた崩れることない原初的分離の不断なる連続、両親、そしてあなた自身が絶えず再現する後の繰り返しを理解することは非常に重要です。言うまでもなく、十分に入り込んで気付きが培われる前には、このことのどれも明らかにはなっていません。しかし、それは非常に明白になってきます。この連鎖の認識が不完全あるいは欠落している限り、あなたは自分自身と人生をコントロールしていません。私が言っているのは、健全なコントロールです。この気づきが欠落していることにより自らを弱く無力に感じるがために、人格がどうにか自制しようと探し求める誤った方法のコントロールのことではありません。誤ったコントロールは有害で、これらプロセスの気づきというしっかりした立脚点の上にいる健全な方法から遠ざけます。この気づきがあなたに訪れる時のみ、あなたは平和に、そして現実にいることを始めるでしょう。
さてそれでは、大いに過小評価され、見落とされ、無視され、誤解され、良くてもせいぜい浅く十分ではない理解しかされていない、この繰り返しのプロセスについて説明しましょう。
現代心理学は、この様相の小さな側面を捉えました。転移と呼んでいます。この用語で一般的に理解されている以上に、このことは深遠であると、このレクチャーからお察しになっているかもしれせん。この転移と呼ばれるこのことは、個人の人生で常に、張り詰めた関係性全てにおいて起こっています。その関係性がどれだけ張り詰めているかによって、両方の親との初めのトラウマの関係性が繰り返されます。どのようなものであっても、他者とのネガティブな関与は葛藤を表現しています。葛藤がなければ、ネガティブな関与もありません。それが葛藤を表現しているということは、分裂の両側を顕現しており、すなわち関わる相手の中に両方の親を顕現しているのです。否定的に関与している場合にのみ、彼または彼女の二元性は長続きし、その人の両親との関係は再体験されます。ある状況において双方またはそれ以上の人々がネガティブな関与をしている場合、全員がそれぞれ今世での最初の経験に絡まり、両親との二元性を長引かせ、それによって繰り返し互いの誤解を生み、分離を強化しているのです。これを理論的な言葉で説明することは困難ですが、このことの理解に至った人は、この真実を見ることに困難はありません。私が個人的な実例をお勧めするのはこの理由からです。それら実例は、ここで議論されているようなことの拡充と認識にとても役立つからです。
さて、ここでせめて理論上でも、内側の分裂から両親そして他者へ、また人生の状況へと続く、この継続的な転移のプロセスが何をしているのかの理解を深めましょう。精神が両親に対する最初の反応に連動している場合、本当は何が現実であるのか気づくことはできません。他者には全く当てはまらないことを盲目的に当てはめます。そうしてあなたは、現実の状況ではなく幻想に反応して対応します。問題はこのことのために、その反応が存在するという前提から離れておりさえすれば存在しない反応、それ事体を他者の中に強引に引き起こすということです。簡単な例を見てみましょう。拒絶されると確信している場合は、最終的にはその拒絶が現実となります。この信念があるがために、あなたの振る舞いは拒絶的になるでしょう。このような例はよく見られ、議論されてきましたが、この特定のプロセスは人生や人格の中のその他多くの側面にも当てはまります。その結果、誤認の誤った信念は強められ、あなたはこうして分裂を広げます。このプロセスの現実を見てその働きを理解し始めるまで、繰り返し同じエピソードを何度も再体験せねばなりません。あなたが持つ特定の非現実を完全に認識し、その誤った概念が本物のように見えるからといってそれを達成しようとするのを思い留まれるようになるまでは、あなたは現実を生きることはできません。(拒絶の例を考えてみてください。)
最初の経験に連動しているからこそ、あなたは今日自分に起こっていることは現実だと思うのですが、当初はそうではないのです。あなたの反応が、そうしていくということです。従って、あなたの反応は、現実の相手、現実の状況には対応していませんが、想像上の相手、つまりあなたの両親、そして想像上の状況に対して対応しています。この理由で、あなたは現実の中には生きていません。あなたは現実に応じて対応しません。対している相手には全く応じず、実際は言うなればどこやら分からないようなところに応答を繰り出します。あなたから出てくるものは、あなたが存在すると考えているものに向けられており、実際に存在するものには向けられていないため、他者の現実に到達することはできません。殆どの場合に見られますが、問題の相手も似たような反応をしている場合、二者間の関係性と相互作用は、一方が他方に到達することなく常にお互いを通り過ごします。流出する流れは食い違い、相手には届きません。人類に蔓延する孤独の理由、すなわちコミュニケーションが困難であることの原因の一部がここにあります。人間は互いに反応し合っていると信じていますが、通常これは全く起こらないか、非常に限られた範囲でしか起こりません。例えば、Aさんに向けているつもりのあなたの意識の流れが、そのAさんに到達することは決してありません。あなたは到達していると信じていますが、実際にそれは両親に対して向けられています。これはAさんには当てはまらないため、Aさんがこれを不正義と感じることがよくあります。彼は、排除あるいは拒絶されたと感じるかもしれません。もしAさんがこの盲目的な牢獄から比較的解放されている場合、Aさんの対応は燃料に火を注ぐようなものにはならないでしょう。現実をより適切に認識することで、その人は自分に与えられた対応が事実に当てはまらないと知っているからです。その人は求められている反応では反応しません。そしてこれは確かに助けになり得ます。しかし、自分の二重性を認識し、両親から他者へと続く反応を行動に表すことを止めた時にのみ、彼は筋違いの反応からくる猛攻撃をやり過ごすことができるのです。こうして、その人は言うなれば、自分の二元性への気づきがあるがために、相手の二元性あるいはその片方を表現することを拒否します。そうして不必要な痛みは回避され、最も繊細な形で助けが与えられます。ネガティブな関与には応答がありません。そのことは最終的に、意識の流れを誤った方向に向けている人に、元の状況と今の状況は同一ではないという認識をもたらすに違いありません。これが無意識のレベルで起こっていたとしても助けとなります。しかしその場合には、その人自身が持つ非現実に反応することのない他者に、自身の健康と解放を依存していることになります。自分自身から始めること、すなわち自らの分裂を見つけ、親から関わりを持つ他者へと続いていく転移を見ていき、徐々に自分が生きている感情的な風潮が現実の状況には当てはまらない事実に気づいていくことの方が、確かに望ましいことでしょう。
私たちの視点から地球領域と人類を観察した時、現実の中にいて、現実に反応している人は滅多にいません。それは本当に悲しいことです。これは人間に必要ない苦しみをもたらす混乱とカオスです。もしあなたが現実の相手や現実の状況を認識し、それに対して反応するのであれば、多くの痛みは避けられるでしょう。痛みは、分離から来る幻想の結果です。これら全てがこの基本的な「生き方」を形づくり、両親との初めの関係性の中から実現します。
皆さんの内いく人かは、ここで私がお話ししている内容について小さな暗示を手に入れていますが、まだ曖昧な暗示に過ぎません。あなたの古い「生き方」の再体験、基本的な分離、そして両親によって表される基本的な葛藤に気づけば気づくほど、あなたは現実の中で生き、自分自身を幻想の連鎖から解放します。二元性の古いドラマを上演することを止めれば、自発的に現実の状況に対応するようになり、その現実は以前に見えていたようにはもはや見えないでしょう。
心理療法士や精神科医は、患者との関係でこの現象を理解していました。しかし、転生の法則を決定づける進化過程の枠組みの中にある、この人間の困難な状況のみが部分的に理解されているに過ぎません。この現象をより深くより広い基盤から理解できるよう、お助けしたいと思います。それは、あなた自身の内側で気づくことによってのみ得られる理解です。それに気づくようになると、その損害、その誤解をも見るでしょう。現実の状況に対して、あなたの目は開き始めます。あなた自身の自動的な反応、型通りの対応に意識的であればある程、まさに意識的であるということだけでそれは止んでゆきます。夫や妻、子供や友人に対し、あなたがどれほど彼らそのものに十分に反応せず、むしろあなたの過去の経験の延長として反応していたのかを知るでしょう。親から他者へのこのいわゆる転移は、あなたの子供にも適応されます。この「生き方」が放棄されない限り、どの関係であっても影響を受けないものはありません。もちろん、いかなる重要性や強さをもった関係性であっても同じです。この状態に気づくまでは、この罠に巻き込まれているはずです。これこそ、パスワークがもたらす自由なのです。この自由は、自己認識を通してのみ来ます。この認識の欠如はあなたを牢獄に閉じ込め、絶えず不満足なふたつの選択肢の間に陥れ、人生から生きる価値を奪います。あなたは常に、両親に対処するために採用した「生き方」で父親と母親、そして人生に反応します。これは、あなたが父母、そして人生から受けた衝撃の結果なのです。片方の親への反応は、他方の親との間にあった望ましくない状況への反応あるいは修正である可能性があります。これは補償と呼ばれます。このふたつの基本的態度が合わさり、あなたの基本的分離、つまり「生き方」が形成されます。同時に、あなた自身がその結果でもあるのです。人生の多様な顕現からの新たな経験は、二元性よりはじまる両親や他者への反復的な連鎖を断ち切った後にのみ可能です。そうして人生は喜び、平和、意味深さの中で、また新しさと豊かさの中で活気づきます。
これは、最大限に重要なテーマです!これから到来するシーズンにおけるワークの中で、この道に活発な友人の皆さんの多くが、このことのぼんやりとした兆候を得て、それによってこのレクチャーで表現されている内容を真に理解されていくことを望みます。これこそ、あなたが導かれる方向です。この方向では、道を進むつもりがあれば、ガイダンスが与えられます。多くの場合では、この洞察力に到達する前に、より多くの困難な側面の啓発が必要になるかもしれません。しかし、道がたどられるのであれば、それは与えられるはずです。
数年前、私は二元性についてのレクチャーをしました。その時、皆さんはこのテーマの内いくばくかを理解しました。そして今、皆さんはより深いレベルの理解の準備が整っています。現在の皆さんの成長段階に応じて、このテーマをまた異なる角度からお話しました。敢えて申し上げますが、最良の最も好ましい状況においても、皆さんがこのレクチャーを本当に自らに適応できるまでには、かなりの時間がかかることでしょう。
では、このテーマに関する質問はありますか?
質問:兄弟姉妹から受ける影響は、両親から受けるものと殆ど同じ位強いということはありませんか?
回答:それは両親との関係の結果に過ぎません。表面的に兄弟姉妹間の関係性の方に問題が多くネガティブな関わりが見られたとしても、それは二次的な結果です。問題が深く探求されれば、兄弟姉妹間の関係性は常に両親との状況に依存し、関連していることが分かります。前に述べたように、両親はあなたが自分自身の基本的な分離、そしてその分離に対処する方法である「生き方」そのものを表現、象徴、顕現します。従って、他の全ての関係性は外的な葛藤を通して、この内なる葛藤に連動しています。
友人の皆さん、私はたくさんの素材をお渡ししました。もし、このレクチャーの知識の個人的経験をわずかであっても本当に望まれるのであれば、少なくとも数か月にわたる知識を吸収するためのワークが必要でしょう。多くの場合には、この知識を得るまで数年かかるかもしれません。しかし、あなたがこの内なる知識、この真実の内なる経験を得る時、その意味するところは、あなたが持ち得る予想をはるかに超えているでしょう。それは拘束衣から、ふたつの悲惨な選択肢の間の希望なき選択から、つまり、あなたの基本的な元の「生き方」から、あなたを真に解放するでしょう。あなたは新しい自由に入っていきます。
強さと祝福が大事な皆さんに与えられますように。そのエネルギーがあなたの存在の深みにまで届き、この場所と向き合うことを可能にする衝撃と共にあなたを満たしますように。抵抗を生み出す恐れを乗り越える勇気を奮い起こすことができますように。それによってのみ、恐怖がいかに役に立たず、理不尽で、根拠のないものであったかを納得することができるでしょう。恐怖は、現実は恐るべきものであり、幻想にしがみついた方が良いかのように思わせます。この認識されていない推論プロセスがどれほど誤っていることか!この誤りによって自らの人生をしょっちゅう毒することは、なんという残念なことでしょう。
皆さんの内いく人かは、この点においてある程度の認識に近づいています。何人かは既に、この基本的な葛藤を理解する地点に達しています。しかし今のところ、皆さんの内の誰もどのように自分が原初の状況を他者と繰り返しているのか気づいている方はいません。そして、この気づきはより十全に洗練されなければなりません。より深く、より良く理解され、より明確に認識されねばなりません。ですからここにある祝福が拡張し、この方向であなたを助けてくれますように。どんな努力もどんな祝福も、真の意味でこれほど役に立ち、重要で活気に満ち、やりがいがあり、生命をもたらすものはないでしょう。
皆さん、あなた方が引き受けているこの最も意味深いワークにおいて祝福されていてください。最愛の皆さん、平和に中にいなさい。神の中にいるように!
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